2014年06月27日(金) 20時24分
  • REVIEW

「名もなき村人A」の人生だって、ドラマチックだ。 RPG の脇役キャラにスポット当てる『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』


「どうせ同じことしかしゃべんないし」と自分のことをシカトしてタンスの中を漁る勇者にもめげず、ひたすら「ようこそ!」と自らの役目を遂行する「村人A」の奮闘アプリ『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』をご紹介。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

村人「ようこそ はじまり の むらへ!」「ようこそ はじまり の むらへ!」「ようこそ はじ――」 勇者「うるせぇ!」

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

「身をやつしてるけど実は高貴な血筋を引く勇者」でもなければ、「哀しい過去を背負う悲劇の魔王」でもなく、「何回話しかけても同じことしかしゃべらねぇ村人A」が主人公という、ご臨終直後の心電図並に起伏のない皆様の日常をゲームの中でも追体験できる RPG 風カジュアルアプリの本作。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

道行く勇者を「キャバクラどうっすか!?」と声かける客引きのように強引に引き止め、イヤな顔した勇者相手にコマンドバトル形式でひたすら「ようこそ!」とヒステリックに同じセリフを連呼していくこのゲームは、「迷惑防止条例」に唾吐きかける甚だ迷惑なファンタジー感が何とも魅力的。

プレイすることで風俗のキャッチや服屋の店員さんたちに「客にイヤな顔されてもメゲズに頑張れ☆」と心強い勇気を与えてくれる、お客にしてみりゃ「イヤホンつけてんのに話かけるのやめてくださいよ! ●すぞ。ムカつくんじゃ!」と言いたくなる一本となっている。

 

村人「ようこそ!」 勇者1「うわっ!しゃべった(笑)」 勇者2「クスクス」 村人「…」

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

一人前の「村人A」となるべく、口は悪いけれども心優しい母親に見送られ旅立つ主人公。

プレイヤーは母親の大きな愛に包まれながら、世界を救おうと奮闘する勇者相手に「何回しゃべっても同じセリフしか言わない」という嫌がらせを世界各地で行うことなる。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

マップは全20エリア80ステージにも及び、各ステージで画面下からとめどなくやってくる勇者たち10人と会話できればステージクリアとなる。

ところが勇者たちは、「ようこそ!」というセリフを張り切って言おうと手ぐすね引いてる村人A を全力でスルー。学校で「はい、二人組作ってー」と言われたときのような寂寥感に思わず視界が滲みそうになってしまう。

それでも「ツライ事があっても負けるんじゃないよ!」という母の言葉を胸に、タップで村人A を左右に移動し英雄である勇者にアタック。

自分からぶつかっといて「あいたたたー! こらアカンわ骨いてもうたホンマどうしてくれんねん」とインチキ関西弁を駆使する当たり屋のように勇者の行く手を阻んでいく。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

「うわー、なんだこいつ…」と勇者がウッカリ足を止めてしまったらここからが勝負。勇者との「会話のコマンドバトル」がスタートする。

バトルは「話す」「逃げる」の2つしかなく、「話す」内容はステージごとに決まっており、その成功率は村人A の「トーク力」と捕まえた勇者のレベルに応じて変化。「話す」が成功すると勇者のHP が減っていく。

「話す」が成功する限りずっと村人Aのターンとなるが、失敗すると「うわっ!しゃべった」など、休み時間中寝たふりしている際にクラスメートから「絶対アレ起きてるよね…、うわっ、起きた」と言われるかのようなエグ過ぎる精神攻撃で勇者が反撃してくる。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

勇者の HP がゼロになると「…わかったよ」と観念し村人と会話が成立。村人としての経験値と、当たり屋の治療費としてお金を手に入れることができる。また村人のレベルが上がると「HP」「トーク力」、そして守備力を示す「メンタル」がアップする。

各ステータスはレベルアップだけでなく「装備」を購入することで上昇させることができる。基本は「トーク力」メインでアップさせるのが効率的だが、レベルの高い勇者相手の場合は「話す」の成功率も下がってしまうので、適宜「HP」と「メンタル」もアップさせる必要がある。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

1エリア4ステージをすべてクリアすると、村人とは一切関係しない「勇者と魔王の戦い」のストーリーが進行。勇者や魔物は全員「いい性格」している連中ばかりなので、単に村人を成長させるだけでなくオフビートな物語も楽しむことができる。

 

立派な村人Aとなり、無事ハッピーエンド…?

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

そうして各エリアを制覇していくと、いつしか勇者から「ワタシも村人Aさんに話しかけられたいなぁー」と言われるまでの立派な「村人A」に成長。魔王を倒すべく冒険を続ける勇者たちを支えていくことになる。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

最後には「魔王はこの先です!」という全く無意味な一言を勇者に告げるため魔王城まで入り込み、勇者に当たり屋を仕掛ける村人A。最後のステージをクリアすると、いよいよ物語もエンディングへ。

 

『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』  『村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」』

 

勇者と魔王の戦いが終わり、家に戻った村人A。平和が訪れたはずの世界はしかし、すぐさま不穏な影が…? 基本的に攻略も何もなく、課金要素も全くゼロなので、こちらは是非ご自身の目でご確認を。

非常にカジュアルなアプリだが、読み返すこともできる物語を用意することでついつい最後までプレイしたくなる魅力を持った本作。

ちょっとした暇つぶしに遊べるアプリをお探しの方はもちろん、「客引きにでもいいから声をかけてほしい…」と願う将来有望な孤独死候補生の皆様にもおススメの一本だ。

 

タイトル 村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」
開発 GLOBAL GEAR, K.K.
ジャンル RPG風村人成長シミュレーション
掲載時価格 無料
公式サイト GLOBAL GEAR, K.K.

 

 

 

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