2014年05月28日(水) 10時53分
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株式会社アカツキ代表取締役 CEO 塩田元規氏 緊急インタビュー:増資・新役員・海外子会社… アカツキが仕掛ける「事業拡大」【Creator’s Voice】

『サウザンドメモリーズ』を筆頭に好調の株式会社アカツキ。5月21日に計14億円の資金調達、新役員の就任、そして台湾子会社設立と、事業拡大に向けた発表を次々に打ち出しますます勢いに乗る同社の代表取締役 CEO・塩田元規氏に今回の施策について同日インタビューを敢行した。

 

株式会社アカツキ 代表取締役 CEO 塩田元規氏

株式会社アカツキ 代表取締役 CEO
塩田 元規 氏

 

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VC 2社から計14億円の資金調達を行った「本当の理由」とは?

 

-9-Bit:今回14億円という大型の資金調達を行いましたが、その理由は何でしょうか。

 

-塩田 元規 氏(以下「塩田」):本来の目的は、開発体制や広告宣伝の強化、それからこれまで国内を中心に事業を拡大してきましたが海外展開を見据えた積極的な事業投資という今後のステップのための増資です。実は外部からエクイティで資金を調達するというのはアカツキにとっては初めての試みで、創業当初から今までは全て自己資金と借入れだけで事業を回してきていました。毎年黒字経営だったということもあるのですが、借入でいけるなら借入でいったほうが早いと考えていたので。ただ、これからのグローバルでの勝負だと必要な資金も大きくなるので、エクイティという選択をしました。ただ、今回の調達は、単純に資金を得るということだけが目的ではないです。

 

-9-Bit:何か他に狙いがあるという事なのですね。それは何でしょうか。

 

-塩田:それは、今回増資していただいた、グロービス・キャピタル・パートナーズ(以下「グロービス」)と株式会社リンクアンドモチベーション(以下「リンクアンドモチベーション」)の2社と組むこと自体に、当社にとって大きな意味があるという事です。

 

-9-Bit:なるほど。現在のアカツキの好調さを考えると一緒に事業をしたいという企業はたくさんあるだろうという事は想像に難くないのですが、その中から敢えてその2社と、と決めた理由は何ですか。

 

-塩田:そもそも私達はアカツキの理念や哲学、ビジョンに賛同できる企業や仲間と一緒に仕事がしたいと考えていまして、その点でグロービスとリンクアンドモチベーションは私達と同じ方向を向いているからです。

 

-9-Bit:その辺りはアカツキという会社についてもっと掘り下げてお伺いする必要がありそうですね。一旦その話は置いておいて、それぞれの会社の役割はどのようになるのでしょうか。

 

-塩田:いずれもアドバイザーのような立場で、様々な面でアドバイスをいただいたりしながら協力して事業を進めていく、ということになります。グロービスは事業戦略、財務のプロフェッショナルですので、その分野で支援していただくのが中心になりますね。リンクアンドモチベーションは、アカツキのメンバーの1人1人のワクワクや本気さといった強さの源泉を最大化して、「世界に幸せを生み出す会社」になるための支援をしていただくことになります。

 

-9-Bit:グロービスの役割は明解ですが、リンクアンドモチベーションについては少し抽象的ですね。

 

-塩田:リンクアンドモチベーションは、実は IT 業界でこの会社が投資している会社というのは非常に少ないんですが、社員のモチベーションが会社を成長させるという考えを持っていらっしゃるところで、そういうところが私達の考えている会社のあり方、目指すビジョンと同じなんです。そのビジョンを一緒に実現していく、そのためのパートナーという立ち位置になりますね。

 

-9-Bit:アカツキ、ひいては塩田さんの会社に関する考え方やビジョンについてはもっと詳しくお聞きしたいポイントですね。

 

「アカツキ応援団」から2人の強力な助っ人が参戦 新役員体制スタート

 

-9-Bit:パートナーという立場に関しては、ベンチャーキャピタル2社による増資だけではなく新役員就任の発表がありました。今回2名の新役員が就任されたのはどのような経緯からでしょうか。

 

-塩田:アカツキは今まで私と香田の2名の創業者が中心になって経営してきたのですが、私達の中には自分達がいついなくなってもアカツキには100年、200年と世界に冠たる企業であり続けてほしい、という思いが強くあります。今回の新役員就任はそのための最初の一歩と言っていいでしょうね。

 

-9-Bit:なるほど。重要なポジションとなる新役員に勝屋久氏と小泉文明氏の御二人を選ばれた理由は何でしょうか。

 

-塩田:元々この両名は「アカツキ応援団」のメンバーでして…

 

-9-Bit:「アカツキ応援団」?

 

-塩田:アカツキの理念・信念に共感してくださっている人達にアドバイザーとして御支援していただいているのですが、その人達を「アカツキ応援団」と呼んでいるんです。

 

応援団員紹介・インタビュー|応援団|株式会社アカツキ(Akatsuki Inc.)
http://aktsk.jp/company/cheer.html

 

-9-Bit:それぞれに応援団長や鼓手長なんて肩書きがついているのが面白いですね。

 

-塩田:勝屋氏はアカツキ応援団の応援団長で、創業当初から私と香田のメンタル面のケアも含めサポートしていただいている方です。私達にとっては、いわば「守り神」のような人です(笑)。

 

-9-Bit:元々塩田さん自身にとってもアカツキにとっても関係の深い方だという事ですね。

 

-塩田:ええ。今までも定期的にお話を聞いていただいたりアドバイスをいただいていましたが、今後はよりアカツキに深く関わっていただいて一緒に会社を大きくしていく手助けをしていただきます。小泉氏もアカツキ応援団の団員で、肩書は「勘定奉行」。アカツキをよりパブリックな企業にするために必要な体制を作っていく上で、財務面をサポートしていただくために役員になっていただきました。

 

-9-Bit:創業者2名体制から、一気に役員の人数も倍になるわけですが、それによって組織・体制も変化することになりそうですが…

 

-塩田:役員として入っていただきますけど、基本は社外取締役・非常勤監査役という立場ですし、今までと大きく変質するということはないと思いますね。これからも私と香田が中心になってアカツキを引っ張っていきます。

 

アカツキ初の海外子会社は台湾に 海外市場の半分を取るための重要拠点

 

-9-Bit:そして、今回もう1つの大きな発表として、台湾子会社 Akatsuki Taiwan Inc. の設立が発表されました。

 

-塩田:はい。2014年6月設立予定で、現在登記申請中です。

 

-9-Bit:アカツキにとって初の海外子会社となりますが、第1号として台湾を選択した理由は何でしょうか。

 

-塩田:まず前提として、私達は「Apple も Facebook も追い抜く!」という事を目標として掲げていますので、そのためにはグローバルサービスを展開するというのは絶対にやらなければならないこと、と考えていました。その中で、まず中華圏に進出しようと考えた時に、台湾は他と比べて日本のコンテンツや文化に対する理解度も高いし、且つ繁体字・簡体字の両方に対応ができる。日本の企業が進出する際のアドバンテージを最も活かせる場所だという事で、台湾を選択しました。

 

-9-Bit:海外進出という事を考えると、現地のパートナーとの提携という選択肢もあると思いますが、敢えて子会社設立を選択したのは何故ですか。

 

-塩田:短期的にはその方が事業のスピードは速く進められるかもしれませんが、中長期で見ると自分達で運営や事業展開ができるような体制をしっかり作っておく方がメリットが大きい、と判断したためですね。

 

-9-Bit:現地子会社の事業内容はどのようなものになりますか。

 

-塩田:ゲームの運営・運用、それからデベロッパーとして現地でも開発を行う予定です。

 

-9-Bit:という事は、台湾でオリジナルゲームの開発もありうる…?

 

-塩田:ええ、あります。まだ具体的には始まっていませんが、これから台湾子会社を拠点に人材採用や、パートナー企業の選択・調整などを進めていきます。

 

-9-Bit:現地での開発も、となるとかなり力の入った事業になりますね。

 

-塩田:もちろん! かなり本気で取り組みますよ。アカツキの全体的な戦略の中でも最も重要な拠点の1つになりますから。ですので、香田が代表取締役として台湾に行きます。

 

-9-Bit:それは、現地に赴任するという事でしょうか。

 

-塩田:大体日本と台湾で半々くらいの割合で常駐することになりますね。

 

-9-Bit:共同創業者で取締役 COO の香田さんが行くということは、アカツキとしてはかなり本気度が高いことの表れですね。

 

-塩田:まあ、香田が行ってしまうとちょっと寂しいですけどね(笑)。

 

-9-Bit:香田さんが台湾に行っている時は、「じゃあ俺も」と言って塩田さんも台湾に行ってしまいそうですね。

 

-塩田:あー、本当にそうなるかも(笑)。台湾は暖かくて過ごしやすいですし!

 

-9-Bit:(笑) 先程この台湾子会社を最重要拠点とおっしゃられましたが、それはアカツキの海外戦略として中華圏を最重要視しているという事でしょうか。

 

-塩田:世界全体をシンプルに捉えると大きく分けて中華圏と英語圏の2つになると考えていますので、その2つの内の1つを取るための最初の拠点だから最重要拠点、という事です。アカツキとしては中華圏だけではなく全世界をターゲットに見据えていますから、どちらが重要というわけではありません。まず先に台湾を通じて中華圏から、という事ですね。

 

-9-Bit:…という事は、いずれはもう1つの巨大市場、英語圏に向けても拠点を持つというのも…

 

-塩田:当然考えています。そうなって初めて「グローバル」ですよね。

 

気になるアカツキの今後の事業展開、そして「アカツキとは?」

 

今回のプレスリリース、そしてインタビューの内容からもアカツキがグローバル企業となるべく本腰を入れて展開していこうとしているのが伺える。今後の同社の事業展開はスマホゲーム業界の中でも注目を浴びることは間違いなさそうだ。

そして、今回のインタビューの中で何度か塩田氏の口から聞かれたのが、アカツキの「理念」「哲学」「ビジョン」といった言葉だ。更に突っ込んで聞くと、非常に興味深いお話を伺うことができたので、9-Bitではアカツキの開発体制や理念、そして今後の方向性等を紹介し「株式会社アカツキ」という会社について深く切り込んでいくのでお楽しみに。

 

株式会社アカツキ 代表取締役 CEO 塩田元規氏

 

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