2014年04月25日(金) 19時40分

【OGC 2014】「ラグナロクオンライン」や『パズドラ』など、ヒット作を数々生み出していくガンホーの特徴的な“ものづくりスタイル”とは。

4月23日に開催されたOGC 2014にて、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社社長である森下 一喜 氏はトークセッションにてガンホーのものづくりスタイルを語った。ガンホーのゲームが長く愛される秘訣はここにあるのかもしれない。

 

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ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
代表取締役社長 CEO
企画開発部門統括
エグゼクティブプロデューサー
森下 一喜 氏

 

社長が何故開発現場に?

 

毎日のスケジュールは開発のミーティングで埋まっているという森下氏。4年ほど前から開発の現場に力を入れ出したようだ。

企画はゼロから自身でアイディアを考え、ゲームの核となる部分を少人数でディスカッションしてゲームデザインを固めていく。そこから始まってテストプレイ、デバック、マスターアップなどを経て最後のリリースまですべてに携わっているという。

一般的なゲーム会社の社長としては型破りなイメージを受けるが、森下氏が現場に専念するようになったのは経営いわゆる社長業に専念していた数年間があったからである。この数年間を森下氏は「自分にとって大きな失敗であり、大きな財産である」と語った。

会社が上場し、新しいものにチャレンジしなければならない時に現場を離れることになってしまった森下氏。ある日、開発スタッフに開発中のゲームについて「面白い?」と聞いたところ「面白いと思います」と俯いて答えた姿を見て申し訳ない気持ちになったという。

成功しても失敗しても、スタッフと共に胸を張って「すごい面白いよね!」とワクワク感を共感し合える開発現場の方に自分の本質があると実感したため、再び現場に携わるようになったのである。

 

ガンホーの特徴的な開発現場

 

ガンホーでは、例えば『パズドラ』で大きなサーバー障害があった場合、他の開発チームも手を止めて全員で修正にあたるらしい。

それぞれのタイトルでチームはあるが壁はなく、チームが混生してゲームを作るという特徴的な開発現場となっている。

これは全員が経験や原体験を注ぎ込み、そんな現場が一本一本出していくことに意義があるという森下氏の考えから実現したスタイルである。

また、オンラインゲームの特徴の1つとしてたくさんの人間が関わっていることが挙げられる。

開発運営は勿論、サポートやマーケティング、プロモーションと大勢のスタッフが関わっているのでフラットな現場にした方がやりやすいという理由もあるそうだ。

「全員で頑張る」という日本人の良さが出ている現場と言える。

 

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長く愛されるゲームづくり

 

今となってはあることが当たり前になっているオンラインゲーム。

しかし創業当時、森下氏が「10年後には携帯電話でオンラインゲームが遊べるようになる!」と言っても社員には「夢物語だ」と言われてしまったという。「家庭用ゲーム機が主流の中、ビジネスとしては成り立たないのではないか」と某大手ゲームメーカーにも難色を示されてしまった。

そんなオンラインゲームをビジネスとして成功させたキッカケはやはり「ラグナロクオンライン」。

10年も続く「ラグナロクオンライン」で培った運営の大切さは、ガンホーのゲームが長年愛される秘訣である。

ガンホーでは運営も開発も一緒になっていて、各々の役割は明確に決まっていないという。一人一人が運営を見据えた形で開発をしているため、ガンホーのゲームはどれもサービスと一体化している。

開発してリリースしたら終わりではなく、毎週アップデートしたりゲーム内でイベントを行ったりと様々なサービスをくっつけた、言わばテーマパーク運営をしているのだ。

リリース後、どうしたら定着するのかを考えるとやはりこういったサービスが重要になってくる。このサービスまで考えて開発をし、運営することによってガンホーのゲームは長く愛されているのである。

しかし、この形態をとることで発生する問題もある。それは開発リソースを運営に取られてしまうため、新タイトル開発の際にリソース不足となってしまうことである。

これを解消するにも現在の運営型ゲームではなく、運用型ゲームを作っていく必要性もあると森下氏は考え、運営型と運用型のいいとこ取りをした新しいものを検討していきたいと語った。

 

森下氏が次に目指すものは?

 

スマホゲームにワクワク感が足りなくなってきたので、もっと違うアプローチの仕方があるのではと模索していき、結果的にサプライズを与えられるようなものを作れればと考えているという。

それに関してのプレッシャーは無く、肩に力を入れずに新しいことにチャレンジしていきたいと森下氏は意欲的な姿勢を見せた。

 

スタッフ自身が楽しみながら開発され、運営されていくゲームだからこそ、私達も楽しむことができる。

タイトルの面白さは勿論、開発現場の雰囲気もゲーム作りには欠かせない要素の一つなのである。

 

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