2014年03月19日(水) 17時05分
  • INTERVIEW

【Creator’s Voice】株式会社ワンオブゼム 代表取締役社長CEO 武石 幸之助氏インタビュー 第三回「社名とオフィスに込めたこだわり 新事業も続々スタート」

ワンオブゼム・武石氏のインタビュー最終回となる第三回は、同社の今後の展開と新事業のコミュニティサービス「FRIENGER!」を中心にお話を伺った。同社の個性的なオフィスや社名に込められた想い等、武石氏の「こだわり」を随所に感じる内容だ。

 

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株式会社ワンオブゼム
代表取締役社長 CEO / Founder
武石 幸之助 氏

 

後世にまで残るエンターテインメントを! ワンオブゼムならではのテイスト

 

9-Bit: 今後は積極的に情報も発信されるとの事ですが、今年はどのような事業展開をしていく予定でしょうか。

 

武石氏: まずは先程お話しした『ガチャウォリアーズ』(以下『G.W.』)の展開ですね。今回の大型アップデートを皮切りに色々な展開を計画しています。また、それ以外にも今年は3本くらい新作ゲームを出す予定にしていまして、現在準備を進めているところです。

 

9-Bit: 『G.W.』だけではなく新作も出るんですね。どういうゲームが出てくるのでしょうか。

 

武石氏: さすがにまだ詳しくは言えませんが…(笑) 今計画しているタイトルは、『G.W.』のキャラコンセプト・デザイン・イメージやテイスト・ニュアンスに沿ったものになる予定です。

 

9-Bit: そう言えば『G.W.』以外で昨年出たワンオブゼムのゲームと言うと『MONSTER HOMERUN for KAKAO』がありましたが、これも『G.W.』に出てきてもおかしくないキャラクターが出てきますよね。

『MONSTER HOMERUN for KAKAO』

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武石氏: これは最近のソーシャルゲームデベロッパーが抱えているジレンマの1つだと思いますが、クリエイティブの部分が各社ともタイトルによってころころ変わりますよね。キャラクターや IP、コンテンツが使い捨てされている。でも本来「ゲーム会社」はそれぞれ独特のテイストを持っていて、キャラクターやタイトルがスピンアウトやリメイクで世代を越えてファンに愛されるものを作ってきたと思うんです。そういった後世まで残るエンターテインメントを創るということをしなければ「コンテンツ屋」とは言えないんじゃないか、と。

 

9-Bit: なるほど。確かに「昔このゲームやったよなー」「昔と今でこのシリーズ全然変わったな!」と思ったことはありますね。

 

武石氏: ソーシャルゲームやネットコンテンツの会社はその努力が足りないのではないか、と。ワンオブゼムとしては「残るエンタメを作る」というところに軸を置いてコンテンツ制作をしていきたいと思います。

 

モバイルゲームを楽しむためのユーザーコミュニティ「FRIENGER!」

 

9-Bit: ゲーム以外の分野で計画している事業はありますか。

 

武石氏: 新事業として、ユーザーがゲームをより楽しむための新しい形態のコミュニティ機能「FRIENGER!(フレンジャ!)」によるコミュニティサービスを展開していく予定です。

 

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9-Bit: 「FRIENGER!」はどのような経緯からスタートしたプロジェクトなのでしょうか。

 

武石氏: ワンオブゼムはユーザーにとって居場所になるようなコミュニティを作る「ゲームコミュニティ屋」を目指していると最初に話しましたが、具体的に言うとユーザーが楽しんでいること、例えばゲームを通して得られる優越感や友達との協力によって得られる成功体験をユーザー同士が一緒に増幅できる場所を提供したいと考えたんですね。モバイルゲームではまだそのための場所がありませんでしたから。

 

9-Bit: ユーザーが集まれる場所と言うと Mobage・GREE 等のソーシャルゲームプラットフォームがありましたが…

 

武石氏: スマートフォンというデバイスにおけるネイティブアプリゲームのコミュニティプラットフォームと考えると、従来のソーシャルゲームプラットフォームのようなブラウザ上のコミュニティというのはちょっと違うんじゃないかな、と思うんですよ。ユーザーがブラウザをスマホ上の情報の中心として捉えていませんから。

 

9-Bit: 確かに、ブラウザを立ち上げず、アプリを起動して情報やコンテンツを楽しむというのが今は当たり前になってきています。

 

武石氏: やはりユーザーのスマートフォンとの接し方をよく理解した上でコミュニティ化していかなければならないのではないかな、と。そう考えると、従来のものと違うコミュニティの形が必要なんじゃないかな、じゃあ自分達で作っちゃおう、という発想で立ち上げたのが「FRIENGER!」なんです。

 

9-Bit: 具体的にはどのような形態のコミュニティになるのでしょうか。

 

武石氏: プレイ動画録画機能を搭載しまして、動画を軸に展開するコミュニティサービスとなっています。詳しくはまだこれからの発表となりますが、まず『G.W.』をはじめとする自社タイトルに組み込んでいく予定ですので、実際に『G.W.』のプレイを通して体験していただきたいなと思います。

 

9-Bit: 「FRIENGER!」を自社タイトルだけではなく他社にも提供することは考えていますか。

 

武石氏: 今のところこの機能やSDKを一般公開する予定はありませんが、「FRIENGER!」のコミュニティと親和性の高い企業・コンテンツからの要望があれば積極的に御紹介していきたいですね。

 

9-Bit: モバイルゲームの新しいユーザーコミュニティのスタンダードとして普及していくと面白そうですね。

 

「ONE OF THEM」ではない「THE ONE」を目指して 社名に込めた決意

 

9-Bit: 武石さん自身の今後の目標は何ですか。

 

武石氏: とにかくまずはデベロッパーとして国内で一番“THE ONE”を取る、というのが今の目標です。私は「全ての会社は THE ONE を目指さない限り ONE OF THEM に過ぎない」と考えてまして…

 

9-Bit: あれ? 社名が出てきましたね。でも「ONE OF THEM」という言葉をあまり良い意味で捉えていないような…

 

武石氏: ええ。自分達が「ONE OF THEM」にならないように、「THE ONE」を目指すために敢えて「ONE OF THEM」と名乗っているんです。

 

9-Bit: 逆説的に付けている社名なんですね。

 

武石氏: 確かに一見するととんでもない名前の付け方かもしれませんよね(笑)。今は我々も「ONE OF THEM」に過ぎない会社ですがいずれ「THE ONE」になるようにと、実は会社ロゴにも隠しで「the one」って入っているんです。

 

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9-Bit: 言われてみれば確かに、英語の社名にもカッコ付きで「(THE)」と付いているんですね。

 

武石氏: そうなんです。デベロッパーとして THE ONE になれるモノ作り、THE ONE としてのモノ作りをしていける会社にしていきたいですね。

 

9-Bit: 期待しています! 本日は色々なお話をお聞かせいただき、どうもありがとうございました。

 

武石氏: ありがとうございます。

 

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「かっこいいオフィスから作られるものが成功する」を証明するために 個性的なオフィスのコンセプト

 

9-Bit: 最後に少しだけ余談になるのですが… 今回ワンオブゼムを訪問して強烈な印象があったのが、このオフィスです。センス溢れる個性的なオフィスですが、どのようなコンセプトで作られているのでしょうか。

 

武石氏: 「自己最適化」をキーワードにしているのですが、具体的には社員が自分で働き方を定義できるオフィス、好きな場所で好きなスタイルで仕事ができるようなオフィスというコンセプトになっています。

 

9-Bit: 確かに皆さんあちこちで好きなように仕事されてますね… 何だかかっこいいオフィスで、「ここで働いてみたいなあ」という気が湧いてきますね(笑)。

 

武石氏: でも「かっこいいオフィス」を作るのが目的じゃないんですよね。逆に、こういうオフィスで作られるモノからこそ成功が産まれるという事を証明するためにがんばっている、というのが正解ですね(笑)。

 

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オフィス入口は開放感があって広々とした空間と癒しの緑が来訪者を迎える。

 

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入口横には社員の名前が書かれた巨大な黒板と「超爆速」の書が。社員のお母様が書道家で、書いてくださったとの事。

 

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オフィス内。大きな木製テーブル等を使い、決まった座席はなくプロジェクト毎に便利なように席を決めているそうだ。

 

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カフェ風スペースは1人静かに作業をするのに適している。モニターを持ち込んで黙々と作業に励むエンジニアの姿が見られる。

 

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こちらは少人数で打ち合わせしながらの作業に向いているファミレス風スペース。因みにドリンクはセルフだ。

 

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こちらは防音室となっており、雑音をシャットダウンして作業に集中できる。デザイナーに人気のスペースだそうだ。

 

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こちらは立ち食い・立ち飲みならぬ、「立ち作業」スペース。取材中にもここで作業をするスタッフの姿が… (※ヤラセではありません)

 

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漫画喫茶風の個室スペースではゆったりとくつろぎながら作業ができる。仮眠もここでとれちゃいそうでうらやましい。

 

IT サービスのプロフェッショナルがゲーム業界に旋風を巻き起こす

 

会社設立からわずか3年という短期間にも関わらず『ガチャウォリアーズ』というヒット作を世に送り出し、先日は新たな資金調達も行い「ゲームコミュニティ」を軸に様々な事業展開に打って出ようとする株式会社ワンオブゼム。このスピード感で大きな存在感を発揮できているのは、武石氏がサイバーエージェントという日本随一の IT 企業での経験を持つからだけではなく、氏の持つ「こだわり」故に軸がブレずに真っ直ぐ突き進んで行く勢いがあるからではないだろうか。

昨年は『G.W.』によってその存在を世に知らしめることに成功した同社が次に打つ手は『G.W.』大型アップデート、新コミュニティサービス「FRIENGER!」、そして更なる新作も待ち構えていると武石氏は言う。今回のインタビューから、今年ワンオブゼムは全く違う規模と姿でスマホ・エンタメの一角を担う存在になるかもしれないというワクワク感が少しでも伝われば幸いだ。

2014年は「THE ONE」を目指すワンオブゼムに要注目だ。

 

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