2013年12月16日(月) 08時00分

【イベントレポート】2Dゲーム開発の強い味方「cocos2d-x」のキーマンが集合! 「gumi study cocos2d-Xmas Special」に2Dスマホゲームの未来を見た!

スマホゲーム開発をサポートするゲームエンジンと言うと3D開発に強い「Unity」が有名だが、「cocos2d-x」というエンジンがあることを御存知だろうか。

 

2Dゲームエンジンの雄「cocos2d-x」が日本のゲーム開発者に本格アピール!

 

ゲームを開発する際にプログラミング、グラフィック制作等の各種作業を簡略化するためにサポートするツール類の事を「ゲームエンジン」と呼ぶ。代表的なものだと特に3Dゲーム開発で有名なものに「Unity」があり、スマートフォン向けゲーム開発でもよく使われているため名前を目にしたことのある人も多いのではないかと思うが、「cocos2d-x」というゲームエンジンの名前を聞いたことはあるだろうか。

「cocos2d-x」は中国の Chukong Technologies という会社が開発しているゲームエンジンで、特に2Dゲームの開発に強いという事で開発者の間では知られているのだ。

前述の Unity と比べるといまいち知名度が低く、しかも3Dではなく2Dの開発で用いられているという事もあり何となく地味な印象を受けるかもしれないが、カードバトル、RPG、パズル、カジュアルゲーム等、実はスマホゲームでは2Dグラフィックをメインにしたゲームが依然主流だ。そして、それらの2Dゲームの多くに cocos2d-x が使われているのだ。

 

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これは最近の韓国、台湾のアプリストアのランキングだが、それぞれ半数以上のタイトルに cocos2d-x が使われているという。中には日本のプレイヤーにもおなじみのゲームがあるという事がわかるように、アジアをはじめとする海外デベロッパーの間ではメジャーなゲームエンジンの1つなのだ。

そして実は日本のデベロッパーの間でも熱狂的なファンとユーザーがいる cocos2d-x の開発者とキーマンが集うセミナー「gumi study cocos2d-Xmas Special」が12月13日、ベルサール半蔵門で開催された。

 

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イベントの概要はこちらの記事でチェック!

「gumi study cocos2d-Xmas Special」開催のお知らせ
http://9-bit.jp/archives/29647

 

日本ゲームデベロッパー代表は gumi 國光氏を筆頭に錚々たる顔ぶれ!

 

イベントのスタートを切ったのは、今回のセミナーの主催社の株式会社 gumi 代表取締役社長・國光宏尚氏だ。

 

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國光氏は「cocos2d-x No.1 カンパニーを目指す gumi のアジア戦略」と題して、スマホ向けネイティブアプリとグローバル展開について gumi の現状と戦略について講演した。

そして 9-Bit では「ネイティブ」と「グローバル」戦略について更に掘り下げた國光氏単独インタビューを敢行! その様子は別途 9-Bit の【Creator’s Voice】にて数回に分けて掲載するのでお楽しみに!

【Creator’s Voice】株式会社 gumi 代表取締役社長 國光 宏尚氏インタビュー 第一回「gumi がネイティブアプリへシフトした理由とは」
http://9-bit.jp/archives/32543

 

続いて、cocos2d-x を用いた開発事例やノウハウを、実際に cocos2d-x でアプリを開発するデベロッパー各社からの登壇者が1人5分という短時間で次々に発表する「ライトニングトーク」には7名が登壇。

 

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株式会社 gumi の CTO・田村氏は cocos2d-x を用いた開発の実例からダメなケースとその対策方法を、初っ端から時間オーバーで途中打ち切りになるまで熱く語った。

 

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株式会社アカツキからは日本語ペラペラのウクライナ人エンジニア・Oleg Gorshunov 氏が登壇。「ボーンアニメーション」という2Dグラフィック手法を cocos2d-x でより効率的に制作できるツール「Spine」を紹介した。

 

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株式会社 Poppin Games の小林氏は iOS7 上でストローク付きフォント(文字を輪郭ではなく線として保持しているフォント)を使う際に起きる問題点と cocos2d-x 上での解決方法について説明。

 

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芸者東京エンターテインメント株式会社の小橋氏は、プログラマーの観点から cocos2d-x を用いた開発を更に効率的にする各種ツール郡を紹介。

 

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株式会社シュハリの代表取締役・松浦氏はサウンドツール「SimpleAudioEngine」を使う際のテクニックを紹介。

 

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名古屋のカジュアルゲームアプリメーカー・Goodia 株式会社の尾崎氏はファイルの暗号化テクニックについて講演。(因みに週1本程度というハイペースで続々リリースされる同社のアプリはファイルの暗号化はしていないとの事…)

 

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そして最後に、『返信ください』シリーズが好評の株式会社 Basic の堅田氏は、3人体制(プログラマー・デザイナー・サウンド)の開発実例から、グラフィックやサウンドデータをそのまま再生・確認できるような開発環境をデザイナーやサウンド担当に渡しておくことでスムーズに開発を進めることができるという事例について語った。

 

1人5分という非常に限られた中での講演であったが、各人とも凝った資料と講演内容で cocos2d-x の魅力とノウハウを存分に語ってくれたぞ。

 

cocos2d-x 開発者からは、新バージョンの機能を発表!

 

cocos2d-x を開発する Chukong Technologies からは、創設者で開発の中心人物である王哲氏が登壇した。

 

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王氏は cocos2d-x の新バージョン「3.0」の概要について発表。Unity 2D と比べて2倍のパフォーマンスを出すことができる予定という 3.0 により、アジア各国と比べてまだ普及率の低い日本での cocos2d-x の更なる飛躍を期待していた。

更に今後のバージョンでは HTML5 版(ブラウザゲーム)とネイティブアプリ版を同時並行で開発できるという依然ブラウザゲームが人気の日本のデベロッパーに喜ばれそうな機能や、「3d extension」という 3D ゲーム開発機能についても発表。

「3d extension」は、背景は 2D でキャラクターが 3D で描画される「2.5D」と呼ばれる 2D と 3D の中間表現を可能にするもので、3Dで描かれるアニメーションによって従来よりも更にリッチなグラフィックが cocos2d-x 上で表現できる。フル 3D ではなく 2.5D に留めた理由として王氏は「まだ低スペックの Android 端末が多く普及している中国市場に留意したため」としており、将来的にはフル 3D への対応も見据えており、今回の発表ではフル 3D 開発のデモ版も披露した。

「3d extention」は来年2月にリリース予定としており、既に中国の一部のデベロッパーには開発版が配布され、中国で大人気ゲームの1つとなっている『FISHING JOY』シリーズ新作をはじめ、ゲームタイトルの開発も進んでいるとの事。日本のデベロッパーへの対応も待たれるところだ。

 

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cocos2d-x 3.0・3d extension のロードマップも公開された。

 

パネルトークで日中開発者が激突! cocos2d-x の疑問点を解消

 

パネルトークでは Chukong Technologies の王哲氏が引き続き登場し、4人のデベロッパーを相手に cocos2d-x に関する Q&A に答えた。質問者からは cocos2d-x のバージョンの互換性問題やプラグイン・エクステンションの統一化、cocos2d-x のオープンソース化等、厳しい質問や要望が次々に寄せられた。

また、会場の参加者からの質問では日本語はもちろん、英語や中国語による質問も飛び出し、今回のセミナーの国際色の豊かさが伺えた。

 

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左から順に、今回のパネルトークのコーディネーターを務めた株式会社 TKS2 代表・日本 cocos2d-x ユーザー会「cocos2d-x.jp」代表の清水氏、株式会社 Alim 開発部長・杉山氏、株式会社 gumi の CTO・田村氏。

 

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左から順に、株式会社 enish の前田氏、Chukong Technologies 王哲氏。enish では Unity を主に使用しており、その立場から cocos2d-x の導入の是非に関する質問が出た。

 

最後は cocos2d-x セミナー恒例の参加者全員による「X」!

 

セミナーの最後は、参加者全員がステージ前に並び、cocos2d-x セミナー恒例となっている「X!」サインを総勢160名で披露! cocos2d-x の勢いと盛り上がりを全員で表現した。

 

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尚、セミナー終了後の懇親会では Chukong Technologies 社の美人広報、YaoYaoさんによりノベルティの配布も行われ、参加者が一斉に押し寄せる一幕も。

 

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冒頭にも述べたように Unity の普及率が非常に高い日本のデベロッパーの間でも、今後 cocos2d-x という選択肢が増えることで更にスマホゲームの表現力がアップし、よりリッチなゲームが登場することが期待できる今回のセミナーだった。

 

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