2013年12月12日(木) 21時20分

【イベントレポート】「ヒットゲームズラボ」でワンダープラネット・ドキョウゲームズのキーマンがアプリ開発と運営の裏側を講演!

個性的なアプリをリリースし勢いに乗る新進気鋭のゲーム開発会社、ワンダープラネット・ドキョウゲームズの2社がアプリ開発・運営の実態について講演。中々聞くことのできない開発の裏側に迫れ!

 

開発会社向けイベントmedibaビールナイト×ヒットゲームズラボ開催!

 

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デベロッパーを対象にネット広告企業の株式会社medibaが開催する「medibaビールナイト」と、同じくネット広告の株式会社ユニコンによるデベロッパー向けセミナー「ヒットゲームズラボ」の共同開催イベントが2013年12月11日に渋谷ヒカリエ内の株式会社medibaオフィスで開催された。

イベントの登壇者にはワンダープラネット株式会社、株式会社ドキョウゲームズの2社のゲームアプリ開発会社が登場し、アプリ開発と運営の実態について講演。また、ネット広告企業によるゲームアプリのマーケティング手法や Unity Techunologies による Unity 開発の基礎知識等、スマホアプリを開発・運営していく上で重要なノウハウが講演された。

講演の内容からはゲーム開発の裏側や、iOS・Android のアプリの動向等、興味深い話題を多数聞くことができたので、それぞれの講演の概要を紹介しよう。

 

1年で2本のゲームをリリースしてわかったマーケットの現状 – ワンダープラネット

 

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ワンダープラネット株式会社
取締役CMO  久手堅 憲彦 氏

 

ワンダープラネットは名古屋のゲームアプリ開発会社で、昨年(平成24年)10月に創業した若い企業だが既に2本のパズルゲームを iOS/Android でリリースしており、好評を博している。タブレットで遊ぶゲームの開発に力を入れており、目標として「日本の Supercell を目指す!!」と掲げているそうだ。

ワンダープラネット株式会社(Wonderplanet Inc.)
http://wonderpla.net/

 

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ワンダープラネット、ソーシャル対戦パズルゲーム『パニックファーム』Android版の提供を開始

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くるるファンタズマ

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久手堅氏はワンダープラネットに入社する前は広告代理店等に勤め、その後ジンガジャパン(2013年1月解散)に参加、マーケティングやマーケット分析に携わっていたという、いわばアプリのマーケティングのプロフェッショナルという経歴の持ち主だ。ワンダープラネットではそのキャリアを活かし2本のタイトルのマーケティング展開に関わった。

ワンダープラネットではこの2タイトルを4言語(日・英・韓・中)に対応し世界135ヶ国にリリースしており、この実績と、特にミッドコアをターゲットにしたファンタジーパズルRPG『くるるファンタズマ』の運営を通して知ったゲームアプリ市場の現状と実態、ゲームアプリの運営のノウハウについて講演した。

まず最近のグローバル市場の動向として、アジア圏では利用ユーザーが多い一方で、収益という点で見ると約6割が日本市場からによるものと久手堅氏は説明。(※『くるるファンタズマ』Android版の場合)

 

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ローカライズを含む同社のアプリ海外展開がややスローであるという要因もありつつも、海外で収益面が低い理由として ARPU(客単価)が日本・北米以外では極めて低いという点を挙げた。(尚、iOS アプリの場合は欧米圏がダウンロード数・売上共にシェアが増えるとの事)

このような市場状況の中、久手堅氏がゲームアプリの開発・運営において重視しているとしたのは「インストール数」「継続率」「売上」の3つの指標の分析だと言う。

特にゲームをリリースした直後は

インストール数と継続率を上げる → アクティブユーザーの増加
アクティブユーザーを増やし客単価を上げる → 売上の増加

という流れを作るためにも「継続率」と「客単価」の2つを如何に上げていくかが重要になってくると説明した。

 

久手堅氏は最後にワンダープラネットの新作アクション RPG『スラッシュオブドラグーン』を紹介。12月末~1月初めにリリース予定と発表した。『くるるファンタズマ』の RPG としての評価も高いため、このタイトルのリリースも待ち遠しいところだ。

 

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Web アプリ開発者とコンシューマゲーム開発者の違いとは – ドキョウゲームズ

 

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株式会社ドキョウゲームズ
代表取締役  清 竜也 氏

 

ドキョウゲームズは10月に RPG 風シューティングゲーム『シューティングゆうしゃ』をリリース、今注目されている開発会社だ。

 

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『シューティングゆうしゃ』配信開始

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代表取締役の清氏はスクウェア・エニックス、キューエンタテインメント、そしてジンガジャパンといった名だたるゲームメーカー・パブリッシャーの開発現場を経験してきたという。コンシューマゲームと Web アプリの開発を経験してきたという経験から、それぞれの開発現場の特徴と違いについて講演した。

 

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(ジンガジャパンでは『モントピア』『あやかし陰陽録』のプロデュース、ゲームデザインを担当。いずれも評判は良かったため、ジンガの撤退は残念だったと言う。)

 

清氏は4つのポイントからコンシューマゲーム開発と Web アプリ開発の違いを比較した。

①「ゲーム」制作の方針
Web アプリの場合:運営で如何に売上を上げていくかという事を重視
コンシューマゲームの場合:ゲームとして如何に面白いゲームを作るかを重視

どちらがより今のゲームアプリ開発にとって相応しいのか、という点について清氏は「今ランキングで上位に来ているゲームの開発現場はこの2つの方針を両方バランス良く持っている傾向」がある、と説明した。

②市場の変化
GREE・Mobage が主流のブラウザゲームからの大きな違いとして、App Store・Google Play が主要プラットフォームとなっている現在はソーシャル要素の入ったゲームを作るとなるとそのゲーム内にコミュニティ機能を用意・運営しなければならなくなった(※ブラウザゲーム時代はプラットフォーム側で用意されていた機能)。

これにより、開発・運営のスタイルが「PC オンラインゲーム」のスタイルに近くなってきている、と清氏は分析した。

③開発手法
Web アプリの場合:アジャイル開発(全員で相談してゲームデザイン・仕様を決めていく)
コンシューマゲームの場合:ウォーターフォール開発(ゲームデザイン・企画の責任者が決定して制作指示を出す)

清氏はアジャイル開発が既存のものを元に改善しながら作っていくスタイル(ファーストフォロー)に向いている一方で全く新しいものを作り出すことには向いていないとし、ウォーターフォール開発は0から新しいゲームを開発することに向いていると説明した。

④ゲームデザイン
Web アプリの場合:ファーストフォローの傾向が強く、ゲーム制作の経験は少ないが KPI 分析のノウハウは多いため何をどうすれば売上が上がるかという点については明確な指針を持っている。
コンシューマゲームの場合:「面白い・新しいものを作りたい」という意識が強いためファーストフォローを否定する傾向。売上アップの手法が明文化されていない場合が多い。

 

両方の開発現場を経験している清氏が率いるドキョウゲームズでは、Web アプリ開発の手法とコンシューマゲーム開発の手法の良いところを融合させることを目指していると言う。

既にリリースされている『シューティングゆうしゃ』の場合はコンシューマゲーム開発寄りの体制で開発されたため「Web アプリ系の視点から見るとまだ足りていないところがある」との事で、現在はより収益を上げることを目指して改修中との事だ。今後『シューティングゆうしゃ』がどのような進化を遂げるか、ゲーム開発者からも注目されそうだ。

 

アプリ分析のトップランナーが語るアプリマーケットの最新動向 – App Annie

 

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App Annie
日本担当カントリーディレクター  桑水 悠治 氏

 

アプリのダウンロード・売上動向、マーケットデータの分析ツールとして世界的にも有名な「App Annie」を提供する App Annie 社日本法人から、日本市場を担当する桑水氏が登壇した。

 

スマホアプリ開発者向け解析ツール|App Annie
http://www.appannie.com/jp/

 

App Annie の機能の紹介の後、桑水氏は実際のデータからスマホアプリの最新市場動向を以下のように説明した。

 

・ダウンロード数では Google Play が App Store より約25%高いが、売上では App Store がマネタイズに成功しており Google Play の2倍近くの売上を出している。

・国別では iOS のダウンロード数では US と中国が全体の 40% を占める。尚、中国では Google Play ではなくローカルの Android マーケットが利用されている。

・国別のアプリ売上を見ると、Google Play の売上の約70%は US、日本、韓国の3ヶ国が占めている。

・大半の国では iOS の売上の方が Google Play よりも高いが、例外として韓国は Google Play が強く、日本も Google Play の売上がわずかに iOS を上回っている。

 

各国でアプリのダウンロード、売上が伸びている中、特に中国の発展が著しい点が注目される発表内容だった。

 

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国別のアプリダウンロード数

 

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国別のアプリ売上

 

手軽にゲームの開発環境を構築できる Unity – Unity Technologies Japan

 

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Unity Technologies Japan合同会社
安藤 圭吾 氏

 

Unity technologies japan合同会社から登壇した安藤氏は、プログラマーという観点から Unity の開発環境の手軽さについて、自身が30分で作ったというシューティングゲームの実例を交えて紹介した。

また、Unity のノウハウがないという開発者向けの同社の取り組みとして、「Unity 県人会議」を紹介。

Unity県人会議 – UNITY
http://japan.unity3d.com/kenjin/

イベントのサポート等、様々な取り組みを2014年春から開始すると説明した。

 

ゲームリリース後に更に盛り上げる重要な手法とは – 株式会社ユニコン

 

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株式会社ユニコン
Director  田中 隆一 氏

 

ネット広告企業の株式会社ユニコンから登壇した田中氏は、ゲームをリリースした後に如何に盛り上げて継続率、ダウンロード数、売上を上げていくか?という手法について講演した。

①ゲームのストーリー設計
②バランス調整
③低敵的なイベント運営やコンテンツ更新
④ゲーム内のソーシャルループ
⑤プッシュ型告知

特に田中氏はゲーム内のソーシャルループによって友達との間の競争心を煽るためにメッセージング・ランキング等でプレイ意欲を誘ったり、プッシュ型告知によってゲームをプレイする動機を作ることの重要性を強調した。

 

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