2013年12月09日(月) 18時29分
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「未完の大器」は開花するのか? それでもやっぱり溢れるロマンに期待しちゃう王道ファンタジー RPG 『ワンダーフリック』


配信時のドタバタからある程度予想されていた「案の定ながっかり感」に多くのユーザーが失望しながらそれでもこのゲームが持つ「ロマン」に今後の巻き返しを期待してしまう「未完の大器」型 RPG 『ワンダーフリック』をご紹介。

 

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元巨人のドラ 1 辻●選手は一軍登板ないままユニフォームを脱ぎましたけど

 

 

いまや「お花見の名所」として日本さくら 100 選に名を連ねてもいいほど年中「サクラが満開」になることで有名なリリース直後の Appstore において、リリース 1 週間とたたず平均 1.5 という「ブンデスリーガの選手採点方式だったら高評価」な数値を叩き出したレベルファイブ「期待」の超大型ファンタジー RPG の「プロローグ版」となる本作(12 月 9 日現在では平均 2.5)。

致命的な問題を改善した Ver.0.11 ではスタミナが回復せず、スタミナ制をとっぱらった Ver.0.12 では「採掘」の「見極め」が機能しないなど、「シェフの気まぐれ」並の日替わりメニューで楽しませてくれるこのゲームに対するげっぷが出るほどの容赦ないユーザー評価は、正直一分の隙もないほど「同情の余地ナッシング☆」な有り様となってしまっている。

 

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しかしキャラクターが滑らかかつ臨場感たっぷりに動く 3D グラフィックはこれまでの「ぽちぽち」スマホアプリでは考えられないレベルで「本当に」素晴らしい。グラフィックに関しては目を見張る部分が多々ある。

また「そもそも論」になってしまうが、『ワンダーフリック』はスマホだけでなくコンシューマー(PS3/PS4/PSP VITA/Wii U/Xbox One)の展開を予定。今回のスマホアプリ版は「ワンダーフリックプロジェクト」の「前振り」であり、あくまで「プロローグ」が「無料」で遊べる「体験版」といった程度のものでしかない。

 

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大々的にプロモして堂々と「未完成品」をリリースしちゃう「ユーザーフレンドリー」な姿勢についてはごにょごにょといいたくなるが、まあとりあえずその辺のことについてはまぶたにアロ●アルファ塗るレベルで目をつぶっておいて、「無料で体験できる一大プロジェクトの前振り」として考えれば十分及第点にはある、と言えるレベルにはある、と個人的には思う。

「色々後戻りできなくなったんだろうなぁ」などと「アダルト☆シチュエーション」が推測される本作は、リリース前の期待と現状の落差がマー君の決め球スプリット並に大きいだけに、「スマホアプリ単体」として見れば「フルスイングで空振り」してしまった印象を受けてしまうが、今後の展開という意味で見れば、数年前にドラフト 1 位で指名された「未完の大器」並の「ロマン」をまだまだ秘めている一本となっている。

 

ロマンあふれるグラフィックは本当に素晴らしい

 

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ゲームを開始するとまずはキャラメイク。性別、体格、顔など用意されたパーツの中から好きなようにカスタマイズが可能。外見を決めたら「戦士」「盗賊」「魔法使い」「狩人」の中から好きな職業をチョイス。当然職業によりパラメータや装備可能武具が異なり、装備は全て外見にも反映される。

キャラメイクが完了し、三途の川手前でくたばりかけてる主人公が謎の「自称:神様」からお告げを受けるコミカルな会話パートが終わると、「第二の人生」をスタートさせた主人公が「グラン・ツォーリ」の王様に謁見するまでをハイクオリティの 3D グラフィックを活かした臨場感あふれるムービーで描く。

この一連のムービーは素晴らしいの一言。これまでのスマホアプリとは「グラフィックに関しては」レベルが違うことをまざまざ見せつけている。

 

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ムービーが終了するとテキストベースの会話パートに移行。ここで様々な「クエスト」を受諾してダンジョン探索に向かうというのが基本フロー。最初は主人公の力試しとしてゴブリンからレアアイテム「ザックリング」を奪い返すという依頼を受けることに。

王様から貰った武器やバザーで買ったアイテムで装備を整えたらダンジョンに出発するためフィールドマップへ。

 

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フィールドマップでは行き先をタップすることで目的のダンジョンに移動。要は「ソシャゲ」と同じシステムで、本来ならダンジョン探索に「スタミナ」が必要となるのだが、「まあ色々あって」Ver.0.12 ではスタミナが消費しないものになっている。ダンジョンに向かう途中でエンカウントする場合もある。

ダンジョンは一つの「エリア」に複数の「ルート」が存在し、「BOSSルート」の大ボスを撃破することでエリアクリアとなる。どこがどのルートになるかは運任せ。

 

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タップしてルートの奥に進んでいくごとにモンスターとのバトルが開始。

バトルはリアルタイムのコマンド制バトルで、画面下に表示された「こうげき」「クリスタル魔法」「とくぎ」「かいふく」「コンボ」「妖精ルーレット」と、何が起こるかわからない「?」の7つの「コイン」を敵に向かってフリックして攻撃コマンドを発動させていく。

 

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バトルでは単にコインを一つ一つフリックして攻撃していくだけでなく、「コンボ発動」や「ガードブレイク」時には3つのコインを組み合わせて攻撃していくのもポイント。

攻撃していくごとに上がっていく「フィーバーゲージ」マックスで発動する「アタックフィーバー」では敵をタコ殴りにしたり、「妖精ルーレット」の「ドロップフィーバー」では敵からレアアイテムを盗み取るなど、操作自体はフリックとタップだけだが、様々なギミックアクションが用意されている。

 

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バトルが終了すると「ダイスをふる」ことでレアアイテムを獲得できるチャンスが。ダイスの出目は完全運次第で、場合によってはダイスを振らずに「小さな宝箱」を選択していたほうがお得なことも。ただ基本的にレアアイテム描くとのチャンスになるダイスを振ったほうがいいだろう。

 

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ルート最深部まで到達すると、「BOSS」ルートであれば「大ボス」が、他のルートであればルートボスとのバトルに。ルートボスを倒せばルートクリア、大ボスを倒せばエリアクリア。

またボスを倒すとそのルートで「採掘」を実施することができる。採掘では6つ程度のマーカーの中から好きな個所を選び、タイミングよくタップすることで「鉱石」を獲得できる。すべての場所に鉱石があるのではなく、これまた完全ラッキー仕様。

ちなみに、本来であれば「見極め」を使うとハズレの場所が一か所消えるのだが、「まあいろいろあって」Ver.0.12 では見極めてくれなくなっている。この挙動は公式でも特に上がっていないようなので、あるいは筆者環境(iPhone 4S /iOS 6.1.3)による現象かもしれない。

 

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最初のクエスト「ザックリングの奪還」をクリアし王様に報告に行くと、突然「賢竜」として名高い竜王・バッフグットが城に襲来し、「ピーチという名前だと危険」なんてメタな理由から「モモコ」と名付けられたお姫さまをさらっていくという配管工のおやじにしてみりゃ毎度おなじみな大事件が勃発。

プレイヤーは再び王からの依頼を受け、新たに酒場からマ●オとルイ●ジ以外の仲間二人を連れてモモコ姫救出に向かうことに。モモコ姫を救出すると現時点のスマホ版が終了となる。

 

正直しんどい

 

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ゲーム内容以前の問題で酷評された本作を、とりあえず「なんやかんや」の部分を「なかったこと」にして評価するなら、やはり圧倒的にグラフィックが素晴らしい。ムービーの滑らかな動きや迫力ある演出はこれまでのスマホアプリとは明らかに一線を画したレベルものとなっている。

が、バトルシステムに関しては正直「相当メンドクセー」と感じてしまった。アバウトなフリック操作でのターゲティング作業や、一人が3回ずつコマンド入力していくパーティーバトル、ガードブレイクやコンボなどをリアルタイムで行うのはこの上なく鬱陶しい。正直筆者は途中から画面なんかろくすっぽ見ずに考えなしのフリック連発しているだけだった。

毎回毎回ダイスを振るか否かの選択もめんどくさいし、採掘に至っては今回のスマホ版では「100%無意味」な機能。ゲーム起動そのものが相当遅い上に毎回注意書きが5ページにもわたり表示されるという鬱陶しいこと極まりない仕様など、「無料の体験版」という事情を最大限考慮したとしても到底高くは評価できない。

 

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まあつまり「ユーザーレビューは大体妥当」というところが正直な感想なのだが、「ワンダーフリックプロジェクト」の真価が問われるのは、むしろ来年コンシューマー機でリリースされるときだろう。「俺たちの戦いはこれからだ」的に終わるスマホ版も、これまでのオフビートテイストからはちょっと予想外の展開を見せることで「前フリ」としては十分機能している。

文字通り「未完の大器」としてリリースされたスマホ版が今後開花するのか否か。レベルファイブのファンの皆様はもちろんのこと、ハイクオリティなグラフィックでの王道ファンタジー RPG にロマンを感じてしまう方、大田選手にまだまだ期待している巨人ファンの方なども要注目の一本だ。

 

タイトル ワンダーフリック
開発 Level-5 Inc.
ジャンル RPG
掲載時価格 無料
公式サイト ワンダーフリック

 

 

 

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