2013年10月17日(木) 19時14分
  • REVIEW

DeNA が「王道」に挑戦してきた。 ジャパニーズトラディショナルな薫りが心地よいファンタジー RPG『マジック&カノン (RPG)』

『ワイルドアームズ』や『戦場のヴァルキュリア3』を手掛けたメディア・ビジョンを開発パートナーに迎え、王道と呼ぶにふさわしい薫り高い JRPG の世界観を作り上げた「ソシャゲ型」王道 RPG 『マジック&カノン』をご紹介。

 

 

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非常に丁寧に作り上げられた「王道の世界観」

 

 

産業が進み動物たちが豊かに暮らす「自由散歩主義」の時代、「毛玉派」と「鱗玉派」が勢力争いを繰り広げる世界でひっそりと暮らしている小人の「ミニニン族」の一人となったプレイヤーが、一族の使命である「世界平和の維持」のため冒険へと旅立つファンタジック RPG となる本作。

Mobage でお馴染み「ソシャゲ屋さん」の DeNA が、コンシューマータイトルの開発実績を持つメディア・ビジョンと協力し開発する「王道 RPG」としてリリース前から注目を集めていた本作は、なんといってもその「世界観」が素晴らしい。

 

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パステル調の優しくもカラフルで、光と影にも富むフィールド、柔らかなトーンで描かれるミニニン族の人々、さらに造形作家の鎌田光司氏がデザインした魅力的な動物たちが織りなす、おとぎ話のような芳醇な世界観はまさに古き良き JRPG。

 

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バトルシステムもターン制のコマンドバトルで、思わずプレイ中に「懐かしい」とさえ感じてしまうトラディショナルスタイル。装備の着せ替えで味わえるユニークな「キャラ立ち」要素もプレイヤーを世界観に引き込ませてくれる。

「一本道」「お使いゲー」などと批判される JRPG の魅力といえば、その半分以上はキャラも含めた「世界観」であることは間違いない。海外のオープンワールドな RPG がいくらでもプレイできる現状でさえ、 JRPGが未だ高い人気を誇っているのはシステム云々ではなくプレイヤーをひきつける心地よい「世界観」があるからこそだ。

本作はその「世界観」にこそ徹底的にこだわっており、その意味においては「王道」の名に恥じぬ、コンシューマータイトルにも引けを取らないといっていい一本となっている。

 

スマホ(とソシャゲ)に最適化したゲームシステム

 

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ゲームの基本進行はお城の王様や村の村長、住人などから様々な「クエスト」の依頼を受け、依頼達成のためにダンジョンに向かいボスを撃破していくという流れ。

クエストはスタミナ制で、ダンジョンに挑むにはナビゲーター役の妖精「ユビナー」のスタミナ(ST)を消費。クエストダンジョンに入るにはユビナーの力が必要という建てつけになっている。

 

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ダンジョン、フィールド共に移動はタップか長押し。ダンジョン内で画面をタップすると、先行するユビナーの後を自動で追いかけ、ダンジョンの最短コースを移動することができる。ただオートの場合はダンジョン内の宝箱などは完全無視してしまう。

ダンジョンを探索したい場合は、画面を長押しして「ぐりぐり」と上下左右に動かせば思い通りのキャラ操作ができる。宝箱をすべて取ったら、画面タップだけで簡単にボスまで連れて行ってくれる。スマホに最適化したスマートな移動システムだ。

 

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敵はフィールド上にあらかじめ表示されているシンボルエンカウントで、敵に接触することでターン制のコマンドバトルが開始。コマンドはリール形式で表示され、プレイヤーはリールから任意のものを選択して攻撃や回復などを行っていく。

「特技」はMPを消費し、自分のHPがなくなったらクエスト失敗と、まあ簡単に言えば表示形式も含めて「ドラクエ」システム。違うのは一回のバトル終了時点でHPが全回復するということ。MPは回復しないため、特に序盤は物理攻撃がメインになっていくだろう。

 

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また使える特技は「ソロモンヘルム」と呼ばれる帽子によって変わる。帽子の装備を変えると見た目も変化するが、それ以上に使える特技も変わってしまうので注意が必要。

装備している帽子はバトルで経験値をためランクアップしていき、それに伴い新しい特技を覚えるようになる。どんなキャラクターに育てたいのかを考え帽子を装備、育成していこう。

 

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またこのゲームで攻略の大きなポイントとなるのが「奥義」 バトルを繰り返していくと、MPゲージの下にある奥義ゲージが徐々に上がっていき、フルゲージとなり「奥義発動」ボタンをタップすると、プレイヤーは強力な奥義を喰らわせることができる。

奥義はアクセサリーに「アクティブスキル」として付与されていて、プレイヤーが装備するものにより種類や必要な奥義ポイントも変わってくる。強力なものほどなかなかフルゲージにならないが、ダンジョンクリア後も継続され溜まっていくので、フルゲージになったらすぐ使うというのではなく強力なボス戦まで温存していこう。

 

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アクセサリーは合成強化が可能で、レベルが上がることで能力だけでなく奥義ゲージの長さを減らすこともできる。またアクセには「パッシブスキル」として装備しているだけで補正効果が付与されるものも存在する。

バトル報酬やクエスト報酬、ガチャなどでアクセサリーが手に入るので、不要なアクセは素材としてどんどん装備アクセを強化していこう。

 

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クエストをこなしていくことで、メインストーリーにかかわる「キークエスト」が依頼され、これをクリアすることで物語が進んでいく。当面の目標はパーティを3人まで増やすことだ。

3人仲間を集めると、いよいよ「犬王・ガルル」から、世界が現在直面している危機、恐るべき「最終兵器」の破壊要請を受け、王から受け取った書簡を「東の町」にいる「産業革命の国」の大使に届けるか、もしくは「西の町」にいるという魔法使い「ピースメイカー」を探すかのいずれかのミッションに向かう。

こうしてミニニン族の使命を帯びた主人公の、壮大な物語の幕が開かれることとなる。

 

とてもよく頑張っている「ソシャゲ」

 

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とまあ非常に「王道 JRPG」として「頑張っている」作品なのだが、根本的には本作は JRPG の雰囲気をもった「ソシャゲ」といった印象。特に多くのユーザーが引っかかるのは「スタミナ制」だろう。

筆者個人としては「スタミナ制だからダメ」という思考停止な批判をするつもりはないが、本作は「王道JRPG」らしく実は「レベルアップ作業」がかなり重要。そのくせスタミナが足りなければダンジョンに挑めないというシステムはゲームへの没入感の阻害以外の何物ではない。まあこれは無料アプリでのマネタイズ上宿命ともいえるのだけども。

 

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それと装備変更時に、今装備しているものと比較してどのパラメータがどの程度上限するのか、またどんな特技が使えるのかが見えないというのはさすがに不親切。種族によって装備できるできないがあるのだから、この辺りは一覧でわかるような UI にしてほしい。

また戦闘も、MPが少ないためほとんど通常攻撃オンリーとなり、あとは奥義のごり押し。おまけに攻撃はターゲティングができないと、言っちゃ悪いが「ぽちぽち」のバリエーションにしかなっていないのが残念。そのほかにもメンテナンスなどなど正直「抜かり」はかなりある。

が、ゲームシステム的な不満点があるにせよ、世界観は文句なしに王道で、この雰囲気「だけ」ならコンシューマータイトルにも勝るとも劣らない(物語的な結末があるのかはまだ不明だけども)。カジュアルなソシャゲスタイルで、トラディショナルな JPRG テイストを堪能するにはピッタリだろう。

温かみのある柔らかな世界観に惹かれた方はもちろん、ぽちぽちには飽きたからと言って『グランド・セフト・オート5』に手を出そうとは思わないカジュアルゲーマーな方などにもおススメの一本だ。『グランド・セフト・オート5』もスゲーおススメだけど。

 

タイトル マジック&カノン (RPG)
開発 DeNA Co., Ltd.
ジャンル RPG
掲載時価格 無料
公式サイト マジック&カノン – モバゲー

 

 

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