2013年09月21日(土) 09時00分

【TGS 2013】基調講演 (1) ソニー・コンピュータエンタテインメント「PlayStation4によってゲームはどう変わるか」

東京ゲームショウ2013初日恒例の基調講演。まず最初に、PlayStation4が発表され今年のショーの中心的な存在の1つと目されるソニー・コンピュータエンタテインメントがその魅力についてデモを交えて紹介したのでレポートしよう。

 

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ライフスタイルの変化に合わせてPlayStationは新たなステージへ

 

東京ゲームショウ2013初日の9月19日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下「SCE」)の基調講演は、PlayStation4(以下「PS4」)公式サイトでも公開されているCM映像からスタートした。

PlayStation(R)4 | プレイステーション(R) オフィシャルサイト
http://www.jp.playstation.com/ps4/

 

最初の登壇者は、SCEの代表取締役社長兼グループCEOのアンドリュー・ハウス氏だ。

 

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流暢な日本語を操るハウス氏は、まず現在のゲーム市場の「3つのトレンド」について言及した。

 

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1つ目は「ゲームデバイスの拡大」だ。スマートフォン、タブレットといった新しい「ゲーム端末」が普及することによってカジュアルなゲームを楽しむライトユーザー層が拡大する一方、家庭用ゲーム機では『Call of Duty: Black Ops II』『Grand Theft Auto V』のようなコアゲーマー向けのゲームが大ヒットする等、ゲームを遊ぶ環境が増えることで「ゲーム」の幅が広がっている。

2つ目が、スマートフォン、タブレットによって作られた新しいゲームの市場のユーザーは、他のユーザーと繋がるソーシャルな体験を求めているという点。

そして3つ目が、フリープレイゲーム、ダウンロード販売といったゲームの新しい入手方法が一般的になってきているという変化だ。

このように、旧来のゲーム市場と異なるムーブメントが起こっているのが今のゲーム市場であり、これによって従来からある「ゲーム専用機」は古くなり、多機能な「総合的エンタテインメント機器」が求められる、とハウス氏は分析する。

PS4はこのような状況に合わせて設計されていると言う。コアゲーマーも満足する没入感のあるゲーム体験を提供しながら、家族や仲間と一緒に楽しめる機能やPSNによるソーシャル機能を強化し、「おもちゃ」から本物の「総合的エンタテインメント機器」へ、というのがPS4の設計理念だ。

 

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620社が参入! 家庭用ゲーム機に本格的なインディーズ市場が構築される

 

ソフト開発の環境についてもPS4は家庭用ゲーム機としては新しい方向性を構築しようとしている。

開発のトレンドは二極化している。家庭用ゲームが高画質・大規模化することで開発費の高騰化が進む一方、モバイル市場による小規模開発の躍進がめざましい。これはハリウッドとインディーズが共存する映画市場と似た状況とも言える。

このような状況に対応すべく、SCEはより開発しやすいツールの提供等、PS4への開発参入への敷居を下げる方針へ。これにより、インディーズ(個人開発)も含めて実に620社(※6月のE3発表時は約500社)がPS4に参入することとなった。

 

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PS4の2013年度の全世界販売見込は500万台だと言う。コアゲーマーを囲い込みつつ家族・友達・他ユーザーとゲームプレイをシェアさせ、ネットワークコンテンツを含む様々なコンテンツを提供することでこのスタートダッシュを成し遂げられるか、注目したいところだ。PS4は日本では2014年2月2日発売予定だ。

 

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また、ハウス氏はファミリー層、カジュアルゲームユーザーといったライトユーザーを主なターゲットとする新ハード「PlayStation Vita TV」も紹介。

 

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映画、ドラマ、アニメ等が楽しめる映像配信サービスや1,300本以上のPS Vita、PSP、ゲームアーカイブスの購入、更にPlayStation3ゲームのストリーミング配信にも対応するこの新ハードは、2013年11月14日発売予定だ。

 

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「PlayStation App」でスマートデバイスと本格的な連携が可能に

 

次に登壇したSVP兼第一事業部・事業部長の伊藤雅康氏は、PS4の機能について説明。

 

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●コストを抑えるためにPCアーキテクチャを採用

●開発者の意見を元に、メモリを当初計画していた4GBから8GBへ変更

●より遊びやすく進化した「DUALSHOCK4」(シェアボタン、タッチパッド、ライトバー、ヘッドセット端子、スピーカーの搭載)

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●スタンバイ中にソフトをダウンロードしたり、ダウンロードを完了する前にゲームをプレイ開始できる等、ゲームを遊ぶために起こるストレスを軽減。

●シェアボタンによってプレイ画像をSNSへ簡単に投稿。

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●PlayStation Cameraによるコントロール

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この内容からも、ハード性能のみならず、ソーシャル機能の強化等ライフスタイルの変化に合わせて機能をを進化させていることが伺える。

そしてSCEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏によるデモが行われたのが、今回の講演の中でも特に注目したい新機能「PlayStation App」だ。

 

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これはスマートデバイスを使ってPS4からシェアしたプレイ画像を見たり、メールやコミュニティのやり取りをするアプリだ。このアプリによって、PS4を使わずとも友達とゲームに関するやり取りを楽しむことができるのだ。

 

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更に、スマートデバイスをPS4に接続し、PS4のコントローラとして使用することもできる。「セカンドスクリーン」と呼ばれるこの機能を使い、例えば画面上にスマートデバイスで描いたキャラクターを表示させたり、実際にそのキャラクターに画面内で触れて遊んだり、といった遊び方が紹介された。

 

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「PlayStation App」はスマートデバイス向けに配信され、ユーザーがお手持ちのスマートフォン・タブレットにインストールすると利用可能となる。

「PlayStation App」の機能、特にセカンドスクリーンのような革新的・未来的なものは実に面白い点ではあるが、注目したいのはSCEが自社製ハードウェア以外のデバイスをキーアイテムとして使用しているという点だ。従来のPlayStationシステムではあくまでSCEの自社製ハードウェアが利用されることが普通だった。今回のこの機能にしても、従来のSCEであれば恐らくPlayStation Vitaがその役割を担うものではなかっただろうか。その機能をスマートデバイス向けのアプリとして配信し、ユーザーが既に愛用しているスマホ・タブレットをそのまま使うことができるという形にしたのは、今回の講演の中で何度も述べられていたように、スマートデバイスがユーザーにとって「自分の一部」になっているというライフスタイルの変化に合わせたためだろう。

PS4向けにリリースされるタイトルで明らかにされているものはまだ多いとは言えない状況ではあるが、SCEが「ただのゲーム専用機」から「ホームエンタテインメント機器」への本格的な脱却を図るPS4がどこまで人々のライフスタイルの中で存在感を発揮し、どのような展開を見せるのか。日本発売日の2014年2月2日が楽しみだ。

 

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