2013年09月14日(土) 12時20分

【セミナーレポート】非ソーシャルゲームのトップアプリデベロッパーが語るマネタイズと集客の秘策とは (1) エイチーム・リイカ

エイチーム、リイカ、ハロ/オモロキといった人気アプリをリリースし続けるトップデベロッパーのキーマンが、そのマネタイズと集客のノウハウについて語った。F2Pでも収益を上げるためには一体何が必要なのだろうか?

 

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9月12日、Android向けに収益化プログラムを提供する株式会社メタップス主催のセミナー「ソシャゲ以外のTOPデベロッパーが語るGooglePlay成功の秘訣/マネタイズ~集客まで全公開」が東京・新宿で開催された。

セミナーの内容は、人気アプリをリリースする3社のキーマンが登壇し、Androidアプリで如何に集客・マネタイズを実現させているか各社の取り組みについて語るというもので、実際の数値情報を踏まえてトップデベロッパーが具体的にどのような手段で収益を上げているかについて聞くことができるという貴重な機会だった。

今回登壇した企業はいずれも、『パズドラ』を筆頭に昨今注目度の高いF2P・ソーシャル型ネイティブアプリではなくツール系・カジュアル系のコンテンツで成功を収めており、そういった点でも注目度の高い企業だ。

それでは、早速それぞれの講演内容についてレポートしていこう。

 

株式会社エイチーム・「zeroapp」シリーズ:スマホツールアプリで成功するための3つの要素

 

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株式会社エイチーム
エンターテインメント事業本部
柴田 健介 氏
(スマホツールアプリ「zeroapp」シリーズ責任者)

 

最初に登壇したのは、『ダークサマナー』『麻雀 雷神 -Rising』等、数多くのヒットゲームをリリースしている名古屋の株式会社エイチーム・柴田健介氏。

新規事業として立ち上げられたスマホツールアプリ「zero app」シリーズは2012年10月にリリースされた第1弾『快眠サイクル時計』から現在までに3アプリをリリースしており、累計DL数300万以上、MAU80万人以上という実用ツール系アプリの人気シリーズとなっている。

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この「zero app」シリーズを立ち上げ、責任者として運営している柴田氏は、ダウンロード数、有料アップグレード利用率、月間売上といった指標の目標を設定した上で、アプリをヒットさせるためにやっていることとして以下の3点を挙げた。

 

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1. ヒット確率を上げる「事前調査~企画」
2. 新規インストールを最大化する「プロモーション」
3. ユーザーを大事にしつつ儲ける「運用~マネタイズ」

 

まず1つ目の「事前調査~企画」を行なうに当たって、ヒット確率を上げるための大前提として、3つのチェックポイントを挙げた。

・そのジャンルに需要があるのか?
・その需要は一時的ではないか?
・ターゲットがニッチ過ぎないか?

 

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そして全世界・全カテゴリのストアをチェックし、3つのチェックポイントをクリアしているジャンルを選定した上で、下記のポイントを踏まえながら企画を詰めていくと言う。

・ライバルアプリを全てチェックし、レビューの内容からユーザーが満足している・不満に感じている部分を確認
・コアとなる機能を決め、アプリの機能を可能な限り絞る
・中身は複雑だがユーザーには簡単に見えるアプリを目指す

 

2つ目の「プロモーション」では、以下の施策を効果的な手法として挙げた。

・リリース時のブースト施策

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・ソーシャルやリアルでの口コミ
例として、Twitterで困っている・不満を口にするユーザーに対して積極的にサポートする「アクティブサポート」を行なうことで話題にしてもらうという手法を紹介。

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・自社アプリ間送客
これはよく使われる手法だが、シリーズアプリ間でデザイン等を統一することでよりコンバージョン率が上がる傾向がある。

 

そして3つ目の「運用~マネタイズ」では複数のマネタイズの手法を組み込んで最適なものを見つけていくことが重要と説明した。

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更に、例えば機能アップグレードは有料課金だけではなくリワードを導入し無料でもアップグレード可能とすることでより多くのユーザーから収益を獲得する等、マネタイズ手法は複数を実装・分析することで改善していくのが収益アップに繋がるとの事だった。

最近では大型バナーが表示されるスプラッシュ広告も多くなってきているが、収益性は高いもののやり過ぎるとユーザーに嫌がられる原因にもなる。広告を実装した後にDAUが下がるものは取り止める等、常に最適なものが何か分析していくことが重要であると説明された。

 

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リイカ・『おやじ観察キット』:ノンプロモーションでもランキング上位に入るためには「ファン」を作れ

 

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株式会社リイカ
栗田 祐介 氏
(『おやじ観察キット』開発責任者)

 

次に登壇したのは、100万DL越えの『毎日の耳かき』や『エクストリーム早弁』『おやじ観察キット』等、特徴的なゲームを次々に産み出す株式会社リイカの栗田祐介氏。栗田氏からは少し変わったゲームがどのように生まれているのか、企画からコンテンツ作り全般について、更にノンプロモーションでランキング上に入るための「秘策」が語られた。

 

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栗田氏によると、『おやじ観察キット』についてはプロモーションには「お金は掛けていない。」と言う。しかし、それでも45万ダウンロード、そしてアプリ全体のランキングで最高11位・無料ゲームランキングで8位を達成することができたのは、「多くのWeb系ゲーム情報媒体各社にリリース日に記事にしてもらった」ために記事を見た人によるダウンロード数が伸び、ストアで目につきやすい順位にまで上がったことで自然流入が増えたのが要因との事だった。

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しかし、媒体にアプリを紹介しても、確実に記事してもらえるとは限らない。そこで栗田氏は、

・「インパクトだけ」の怪しげな資料を作って送る
・謎のティザーサイトを作る
・ステッカーを作って配る
・Appleの審査が通らないからダメかも…という泣き言

といった様々な情報・資料を小出しに出すという手法によって、媒体サイドに「早く次を見たい」と思わせる・気にさせることで『おやじ観察キット』のファンになってもらうように仕向け、更にそのやり取りによってプロモーション担当が媒体各社と良好な関係を築くことで最終的に媒体各社から掲載の確約を取るということを可能にしていった。

 

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次に栗田氏は『おやじ観察キット』『空気読み』(栗田氏が前職で開発したアプリ)といった人気アプリのケースを例に出して企画のアイディアの出し方として、何か「イライラする」ことがあったらそれを何とかしようという気持ちからアイディアが浮かんでくることが多いと説明した。

 

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また、「常識の逆に目を向ける」事も重要であるとし、例として『おやじ観察キット』を発案した際に社内で「気持ち悪い」と大好評だったことから、「嫌悪感の市場はブルーオーシャンだ。」と気付き、とにかく気持ち悪い要素を次々に入れることでゲームの特徴的な部分を突き詰めていったとの事だった。

このように「イライラすること」に目を向け、「常識の揚げ足をとる」考えを持つことが良いアイディアを見つける秘訣なのだそうだ。

 

(→大人気大喜利アプリ『ボケて』の成功のカギとは? Google Playで成功するための10個の秘訣をキーマンが語る

 

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