2016年02月12日(金) 16時55分
  • INTERVIEW

【Creator’s Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

「初音ミク」コラボも好調なパズル RPG『クラッシュフィーバー』開発チームのインタビュー後編は、『クラフィ』開発体制と今後の展開、そして業界で話題となったリリース直後の長期メンテナンスからの復活について等、開発・運営の裏側についてお話を伺った。果たして開発現場はその時、何を感じたか。

 

インタビュー前編はこちら

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

 

有機的な開発体制が自主性を生む!? 『クラッシュフィーバー』の開発体制

 

9-Bit:『クラフィ』の開発体制はどのようなものでしょうか。

 

鷲見:開発開始当初は6人のチームでしたが、現在は約20名のスタッフで構成されています。

 

藤澤:開発初期はエンジニアも含めてチームのメンバー全員でキャラクターの設定を作ったりしていました。職種に関係なく、チーム全員が一丸となってひとつのタイトルを作り上げるんだ、という雰囲気はワンダープラネットならではだと思います。現在は人数が多くなったため、さすがにキャラクターの設定を考えることはありませんが、全員が前のめりになって開発に没頭しているのは変わりませんね。

 

9:新キャラクターの追加が非常に速い『クラフィ』ですが、現在のキャラ数はどれくらいなのでしょうか。

 

吉澤:リリース後も継続してキャラを追加していって、現在は500以上のキャラがいます。今も多くのキャラを制作中ですので、まだまだ増えますよ(笑)。

 

9:多くのキャラを量産するとなるとかなり労力もかかるのではないかと思いますし、苦労も多いのではないかと思いますが。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

▲プロジェクトマネージメント兼プランナー 吉澤曜祐氏

 

吉澤:確かに生みの苦しみ、というところはありますね。既存のキャラの設定との整合性を取るのも苦労しますし、デザインを考えるのもスキルや性能をどうするかを考えるのも、毎回悩んでいます。特にゲームの根幹に関わるキャラが出てくると、デザイナーやエンジニアも巻き込んで大変なことになりますね(笑)。ですが、作れば作るほど『クラフィ』の世界が広がっていくという楽しみもあります。

 

9:ではプランナーからいきなり無茶振りがあって、エンジニアの方が苦労する、という事も多々あるのでは…(笑)

 

桐島:開発チーム内で毎週金曜日に定例会議があって、そこで事前に全体の方向性やデザイン、イベントの概要等をプランナーが共有してくれますので後で「何それ!?」となることは少ないですね。逆にそういう場でエンジニアから反論が出て、その企画が再検討となる事もあります。

 

吉澤:企画を考える側も「果たして本当にこれは良い企画なのか」と不安になる部分もあるんですよ。ですから、「こういうの考えてみたんだけど、どうかな?」と気軽にアイディアを出して、それに対してプレイヤー目線でチームのメンバーが意見を言ってくれたり批評してくれる場があるのは本当にありがたいんです。逆に「こういう機能があるからこういうこともできるよ」という情報がそこで出てきて、それに合わせて企画を変えたり、という事もありますし…

 

藤澤:その会議で「こんなこともあろうかと」と言ってこっそり作っていた機能を披露する瞬間が最高なんですよ(笑)。

 

吉澤:ドヤ顔でね、出してくれるよね(笑)。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

▲リードアプリエンジニア 藤澤健治氏

 

9:お話を聞いていると、各セクションが有機的に動いて機能やクエストを追加していっているようですね。

 

吉澤:そうですね。そしてそうやって出てきたアイディア・企画を、鷲見が最終的に判断・決定してゲームに実装していっています。

 

鷲見:プロジェクトが大規模になればなるほど、個々の作業範囲が細分化されていき、スタッフは全体像を見失いがちですが、ワンダープラネットでは全体的なビジョンを全員で共有しながら、そのビジョンを達成するために何をすべきかをそれぞれが考えて、かつコミュニケーションをとりながら自主的に仕事を遂行出来る環境が整っていると思っています。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

 

その時ディレクターはコミュニティをそっと閉じた 『クラッシュフィーバー』リリース直後の長期メンテナンスの裏側

 

9:企画周りの苦労について伺いましたが、エンジニアの方で苦労されたところは何でしょうか。

 

藤澤:アプリ周りでは、一番苦労しているのは「マルチプレイ」の部分ですね。今も絶賛苦労しているところで、不具合もありユーザーの皆様には大変ご迷惑をおかけしております。

 

9:苦労されている理由は何でしょうか。

 

藤澤:通常パズルゲームはゲーム中にやりとりするデータ量が比較的少なくなるものなのですが、『クラフィ』のパズル部分は物理エンジンを使っていてリアルタイムでゲームの状況がコロコロ変わるためにやり取りするデータ量が多いんです。それを更に4人のプレイヤー間でリアルタイムに同じ状況になるように同期させるというのが大変なんです。同期の精度を高めようとすれば通信が遅くなってしまいますし、通信速度を上げようとすると同期のデータが合わない…というジレンマの中、そのバランスを取るのに四苦八苦しています。アプリエンジニアの腕の見せ所ですね。

 

9:最初に打ち出したコンセプトが「世界で最も気持ちの良い4人協力パズル RPG」と言ってしまっていますが、正にそこが一番苦労するポイントだった、というわけですね。

 

鷲見:4人というのは、他のゲームでも多いですが皆でワイワイ遊ぶことを考えるとちょうどいい人数なんです。技術的な事を考えると2人だと楽ですが、人数が少ないとワイワイ遊ぶ楽しさが感じられない。3人だとそういう感覚はありますが、ゲームシステムの面から考えると一度に登場させられるユニットが3体になってしまい、戦略やプレイの幅が狭くなってしまう。そういった様々な要素を総合して考えると、4人がちょうどいい人数なんです。

 

9:なるほど… 通信面での苦労と言うと、サーバサイドでも大変な事が多そうですが。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

▲リードサーバーエンジニア 桐島昌吾氏

 

桐島:想定外の量のアクセスがいきなり来た時が一番大変ですね。ある日突然前日の2倍のアクセスが来て、という事もよくありますし。様々な要因が重なってアクセスが増減するため、次に何が起こるのか・どれくらいのプレイヤーが来るのかを予想するのはとても難しいです。しかし、名古屋の企業に限定していえば、これだけの大量アクセスを裁く貴重な経験ができる会社はなかなかないと思っています。

 

9:想定を超えたアクセス数によるトラブルと言うと、配信開始直後にアクセスが殺到してサービスを一時中断するという大事件が起きたことはまだ記憶に新しいところですが、その時はどのような状況だったのでしょうか。

 

関連記事:大注目の新作『クラッシュフィーバー』想定以上の人気でサーバがクラッシュ… 7月中の再開を目指しメンテナンス実施

 

吉澤:ユーザー様の反応がものすごかったですね。

 

鷲見:3週間のメンテナンスの実施を決断したのが深夜の3時だったんですが、そんな時間にも関わらずたくさんのユーザー様がネットのコミュニティで待っているという書き込みをしていて… メンテナンスの発表をすると相当きついバッシングも書かれました。その日はタクシーで帰ったんですけど、車内でそんな書き込みを見ているうちに心が折れそうになりました。

 

9:そこからが復旧に向けてのスタートというわけですね。

 

桐島:実は私はその時点では入社していなくて、一ユーザーとしてその事態に遭遇していまして、「これはえらいことになったぞ」と思いながら見ていました。そんな折にワンダープラネットの求人をたまたま目にして、これはかなりタフな状況だけどサーバエンジニアならぜひ挑戦してみたい仕事だな、と(笑)。それで入社することにしました。

 

吉澤:感謝しているのが、サービス再開後に多くのプレイヤーの方々が戻ってきてくれたという事です。サービスを中断してしまうと、「もういいや」と他のゲームに行ってしまう人や安心してプレイし続けられるのかと不安に思う人もいると思います。そんな中で『クラフィ』に戻ってきてプレイしてくれたユーザーの皆様には心からお礼を言いたいです。

 

藤澤:サービスを再開した時は、ここまでやってきた対処で自分達としても「これでいける!」という手応えはありました。再スタートを切れたことにホッとする反面、「また落ちたらどうしよう…」と内心ヒヤヒヤしていました。

 

吉澤:開発チーム内にもユーザー様にも、長期メンテから再開してまたサーバが落ちましたというのは許されないという空気はありましたから… 皆必死でしたね(笑)。

 

桐島:そう聞くと、サーバ担当としてはもう絶対に落とせないですよね。二度目はない、もう後がないということですから。

 

一同:責任重大だよね(笑)。

 

桐島:うわープレッシャーがすごい… これからもサーバの高速化には注力していきます!

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

 

“ゲーム”は“コミュニケーション” 『クラフィ』開発チームのビジョンから見える次回作の姿

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

 

9:最後に皆さんにお聞きしたいんですが、今後新しいゲームを作るとしたらどんなゲームを作りたいですか。

 

桐島:技術面では人間が学ぶのと同じようなプロセスで人工知能が賢くなっていく「機械学習」に興味がありますので、この技術を応用して「ALICE」のような仮想世界を構築してみたいですね。その仮想世界の中で AI がユーザーに自発的に関わってきたり、そういう体験ができると面白いんじゃないかと考えているんです。

 

藤澤:桐島の話に便乗するわけじゃないですけど、「ALICE」のような仮想世界にスマホを通してアクセスするというプラットフォームアプリのようなものを開発してみたいですね。そのアプリを通して、「ALICE」の中に存在する『クラフィ』をプレイする、とか…

 

吉澤:私もそれに便乗すると、現状の『クラフィ』は予め決められた目標を4人で協力して達成するというゲームですが、桐島と藤澤が言うような「ALICE」という世界の中の1人としてプレイヤーが様々な形で他のプレイヤーと絡みながら『クラフィ』の世界とゲームを楽しめるような体験を提供したいですね。例えば『クラフィ』のマルチプレイではフィーバー発動時に拒否されたり、どこをタップしようか迷っている様子が伺えたり、そういう瞬間に「あっ、一緒にプレイしているんだ!」という他のプレイヤーの「表情」や相手がいるリアリティを感じられると思うんですが、その感覚をもっと掘り下げていったら更に深いゲームの楽しさを体験できるんじゃないかと考えています。

 

桐島:そこで体験できるイベントやキャラクターを AI の「ALICE」が勝手に作ったり、とか…

 

吉澤:ああ、それいいなあ。そうすると私は遊んでいるだけでいいので(笑)。

 

9:MMO 版『クラフィ』を期待してしまいたくなるような話になってきましたが…(笑) 鷲見さんは如何でしょうか。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

▲プロデューサー兼ゲームディレクター 鷲見政明氏

 

鷲見:私は必ずしもオンラインや MMO にこだわっていませんが、コミュニケーションを軸にしたものを作りたいというのは同じですね。オンラインゲームでなくても、例えば昔は「ドラクエ」の新作が出たら学校で友達とその話で盛り上がったりしていましたけど、これもゲームの「コミュニケーション」だと思うんですよ。オンライン/オフラインに限らず「コミュニケーション」が楽しめるゲームを作りたいですね。

 

9:皆さんの話を総合すると、『クラフィ』開発チームの次の新作は他のユーザーと1つのゲームの世界で一緒に楽しめるというところがポイントになりそうですね。『クラフィ』の今後の展開と同様に、皆さんの次の新作も期待しております! 本日はどうもありがとうございました。

 

一同:ありがとうございました。

 

【Creator's Voice】開発者から見たリリース直後の長期メンテナンス ワンダープラネット株式会社『クラッシュフィーバー』開発チームインタビュー 後編

 

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◆『クラッシュフィーバー』 ダウンロード

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