2013年07月09日(火) 15時27分
  • REVIEW

私はすべてを受け入れる。それが自分の使命だから。 暖かな懐かしさと洗練された寂しさが琴線に触れる美しき音響アドベンチャー『スキタイのムスメ』

「海外ゲーム賞でベスト携帯ゲーム」というもはや「全米が泣いた」並みに使い古された謳い文句を持ち、しかし実際日本でも数多くのユーザーから「神ゲー」「アート」と絶賛されるアドベンチャーゲーム『スキタイのムスメ』をご紹介。

 

 

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懐かしさと美しさが同居した幻想世界

 

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開発者自らゼルダやメトロイド、ICOなど様々な日本のクラシックゲームの影響下にあることを公言しているように、光の使い方が印象的で美しい、洗練された世界観でありながら、どこか日本のゲームファンの琴線に触れる懐かしさをも兼ね備えた謎解きアドベンチャーの本作。

「アートのよう」とも評される幻想的なグラフィックと、各所で絶賛されサントラまで発売されたBGMと、とにかくその世界観へのこだわりっぷりについては、ともかくトレーラーを見ていただければその半端なさがビンビンに伝わってくるので、まずはこちらを。あ、ちなみに最初は日本のオッサン(グラスホッパーの須田氏)の独り言がぶつぶつ聞こえるからアレだけども嫌がらせじゃないですよ。

 

 

さらに洋ゲー特有の「雰囲気重視」だけでなく、序盤からフィールド内に散りばめられた仕掛け、そしてゲーム全体を覆う謎に満ちたストーリーと、「謎解きアドベンチャー」要素がプレイヤーの心をひきつけてやまない。

 

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ナビゲーター役から伝えられる「タマシイの重大疾患に関する臨床研究」とは一体何なのか。現実世界と夢世界を行き来しながら、実際の時間経過と連動して満ち欠けていく月の影響や、「ソーサリー」を発動して解き明かしていく音楽的謎など、様々な神秘的体験を味わえる一本となっている。

 

ソーサリーの歌を捧げ謎を解き明かす

 

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プレイヤーはタイトルにもなっている紀元前代の遊牧民「スキタイ」のムスメとなって、「絶世の大書」を使って三つの「トライゴン」の集めるのが目的で、操作はタップが基本。怪しい個所などをタップ操作で調べながら、フィールド内の謎を解いていく流れとなる。

 

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フィールド内の移動したい場所やオブジェクトなどを「トントン」とタップするとターゲットが表示され、スキタイのムスメ(スキムス)がターゲットに向かってオートで移動していく。

 

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「絶世の大書」を手に入れると、その力を使うために「ソーサリーの歌」を歌う必要がある。絶世の大書をもってソーサリーの歌を捧げると、フィールド内に存在する「森の精」を目覚めさせることができ、森の精を5つ集めることで「トライゴン」が現れるのだ。

 

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森の精はフィールド内の一部が光を発している箇所に存在する。その光のそばで、スキムスの周囲にオーラのようなものが完全に浮かび上がるまでスキムスを長押しすると、ソーサリーの歌が発動するのだ。

ただ、実は歌を捧げるだけでは森の精は現れてくれない。歌を捧げている状態で、今度は周囲の怪しい場所をタップやスライド操作でくまなく調べ行くと、いくつか光りだす箇所が出てくる。それをある規則性に基づいてすべて光らせると、森の精が現れる。

 

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またソーサリーの歌は森の精だけでなく、その他のフィールドの怪しい個所を調べる際にも歌う必要がある。要は何か調べたければ歌を歌い、その状態でタップやスライドなど様々なアクションを行っていくのだ。

謎解き要素はヒントも数多く存在するし、ヒントなんかなくたって手当たり次第になんかやってればクリアできるレベルなのではっきり言って難しくない。「雰囲気は最高なんだけど難しくて諦めちゃった…」なんてことは起こらないと断言しておこう。

 

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そうして様々な仕掛けを解き明かし、トライゴンと戦って勝利すると自分に従わせることができる。しかし、なぜかトライゴンを従わせるごとに、スキムスの体力ゲージが減っていっているような…。スキムスに課された「使命」は何なのか。それはぜひプレイして確認してほしい。

 

BGM込みで最高の幻想世界

 

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とまあ神秘的な世界観と適度な謎解き要素、さらにストーリーとが絡み合い数多くのユーザーに絶賛されている本作だが、個人的には何点か「ゲーム」としての不満点を覚えたのが正直なところ。

特に、基本横向きの本作において、モンスターとのバトル時には実機を縦向きに変えないといけないのは、「こういうのってなんかセンスあるでしょ?」という開発者の自己満足以外の何物でもないと思える。

他にもゲーム進行に従い様々なヒントが表示されていく「絶世の大書」の中を開くのもわざわざ縦向けにしなければならないなど、この「縦向きに切り替える」という仕様は、ユーザビリティ的にははっきり無意味。本作における「回転」演出という部分で全く理解できないとは言わないけれど…。

しかし不満点はあれど、やっぱり世界観は最高。すでにお気づきの方も多いだろうが、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』や『ICO』などの影響を受けていることがハッキリとわかるような様々な演出に、何より自然音などの効果音も含めたBGMが最高。この曲とグラフィックだけでもう幻想的な世界にトリップできてしまう。

元々PCゲームとしてリリースされ、のちに有料アプリとしてiOSでも配信された本作だが、現在「ユニバーサルバージョン」が無料で配信中となっている。正直いつまで無料なのかなどはっきりしないので、グラフィックとBGMが織りなす世界観がドハマりした方はお急ぎを。しばらく無料なのかもしんないけど。

 

タイトル スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(ユニバーサルバージョン)
開発 Capybara Games Inc.
ジャンル 謎解きアドベンチャー
掲載時価格 無料】
公式サイト スキタイのムスメ:音響的冒剣劇

 

 

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