2013年07月01日(月) 16時54分
  • REVIEW

色鮮やかな「感情」が、「空っぽ」な私を救ってくれる…。 襲い掛かる「虚無」を振り切り一人ぼっちの世界を生き残れ。謎解きアクションの傑作『Nihilumbra』


2012年度のApp Store 隠れた名作ゲームに選ばれ、その世界観と謎解きパズルアクションとしての完成度の高さが各方面で絶賛を浴びた『Nihilumbra』をご紹介。

 

 

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ワタシハイッタイ、ナニモノナノカ

 

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漆黒の闇の中、突然眩く輝く一つの光が現れ、中から生まれいでし「影」のようなキャラクターとなったプレイヤー。このキャラクターはいったい何者なのか、そしてこの世界はどこなのか。

 

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一切が謎に包まれる中、迫りくる「Void」(虚無)から、「Colors」(色)を操りながら逃げ延びて一人ぼっちの世界を生き残ることが目的の本作は、ミヒャエル・エンデのような世界観はもちろんのこと、フィールド内に散りばめられた様々な仕掛けとシンプルでストレスフリーな操作性、何よりゲーム中にダイアローグのように浮かび上がるストーリーの「謎」がユーザーの心をつかんで離さない、ゲーム性と物語性とを兼ね備えた謎解きアクションの傑作と呼ぶにふさわしい一本となっている。

 

「Color」はすべてのものが持っている。お前でさえも…

 

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ゲームシステムは5ステージ制のシンプルな謎解きアクションゲーム。ゲーム開始時に操作方法として、「バーチャルパッド操作」か端末を傾ける「ティルト操作」かを選択できるが、絶対にバーチャルパッドを使用したほうがやりやすい。

バーチャルパッドを選択すれば、左右の移動とジャンプは画面下にある左右、および上の矢印アイコンを使用するだけで、非常に簡単な操作性。キャラ操作でストレスを感じることはまずないだろう。

 

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しかしこれだけでは、実はフィールド内の様々な仕掛けをクリアしていくことはできない。仕掛けのほかにもフィールド内には「Void」から生まれたモンスターが数多く存在する。しかもそのすべてが、「なぜか」プレイヤーに悪意を持って命を狙ってくるのだ。

そこで駆使するのが、このゲームで最も重要な「Colors」だ。

 

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画面右上のアイコンをタップすると、様々な「Colors」が実った、枝分かれした樹木が現れる。プレイヤーはこの「Colors」をタップすると、地面やオブジェクトなどを氷結させたり、トランポリンのようなジャンプ台に変化させることができるのだ。

 

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たとえば水色の「Color」を選択すると、タップした地面を氷結させることができ、「箱」などのオブジェクトを滑らすほか、プレイヤー自身が氷の上を移動することで移動速度を上げ、後ろから迫る敵を振り切ったり、大ジャンプするための助走に活用したりすることができる。

 

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「Color」は使うごとに各色のアイコン内のゲージが減っていき、空っぽになると使えなくなるが、渦巻のようなアイコンを使うとフィールド内の「Color」を回収することができる。また道中に数多く存在するオートセーブ用のチェックポイントでも「Color」を回復してくれるので、まあ「色切れ」を気にする必要はほとんどない。

 

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「Color」は全部で5色存在し、各ステージ内で咲いている「花」を摘むことで手に入れることができる。

 

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花を摘むと、空から舞い落ちるプレイヤーに向かって何者かのダイアローグが表示される演出が。このゲームが意味する「Color」とは? その意味は、全ステージをクリアした時にわかるだろう。

 

直面する「真実」と、決して消えない「希望」。

 

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「Color」を使いながら奥深く進んでいくと、各ステージの最後で「Void」が現れ左からすべてのものを飲み込んでいく。プレイヤーがVoidに取り込まれたらもちろんゲームオーバーだ。最終ステージともなると、先の見えない場所で様々な「厭らしい」仕掛けが待ち構えていて、初見ではなかなか難しいかもしれない。

しかしゲーム全体の難易度としては割と低めで、謎解き要素も程よい程度なのでしっかりと考えてプレイすれば必ずクリアすることができるだろう。

 

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そうして迎えたエンディング。プレイヤーが直面する「真実」と、虚無を打ち払う「感情」という名の色鮮やかな力。

ゲームど頭の「僕ってなに?」なんてモラトリアムど直球な導入や、随所に散りばめられるワードなど、若干陳腐な印象を受けないでもないが、だからこそ「普遍的」ともいえるストーリーや、荒涼としながらもカラフルで独特な世界観はやはり秀逸。

さらに5ステージクリア後、隠しステージがアンロックされるが、この難易度が、血糖値だったら確実に糖尿病と診断されるほどに急上昇。歯ごたえのあるゲームを探しているユーザー向けにもきっちり対応しているところなど、さすがの作り込み。

ちなみに、本作は複数言語対応しているが、現状では日本語対応はしておらず、ほとんどの日本人プレイヤーがしかたなく英語を選択することだろう。しかし表示されるテキストは非常に平易な文章ばかりなので、英語アレルギーの方の大まかな読解でもストーリーは十分に追える。日本語じゃないからって理由だけでやらないのは絶対に損だ。

雰囲気重視の洋ゲーファンならもちろん、適度な難易度の謎解きアクションをお探しの方、「孤独…」「運命…」なんて言葉が大好きな、ダウナー方面に中二病患っている方などにもおススメの一本だ。

 

タイトル Nihilumbra
開発 BEAUTIFUN GAMES SL
ジャンル アクション
掲載時価格 250円
公式サイト BEAUTIFUN GAMES SL

 

 

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